書籍編集制作

書籍編集制作

編集者必携マニュアル

著:中島正純

書店発売日:2014年3月15日
定価:2,000円+税
ISBN:978-4-87177-323-2

DTPから電子書籍の時代にはいるとはいえ、編集者にとっての基礎的なスキルはいつの時代も必要。指導者も少なくなり、体系的な研修もされなくなってきた今の出版界で、本書はどのように仕事を覚えればよいかを示してくれる。

目次

1.原稿執筆依頼
2. 原稿点検
a. 原稿を通読する
b. 原稿数量を一覧表に記録する
c. 目次を書き出す
3. 用字用語マニュアル
4. 本の構成
a. 小説・随筆などの構成
b. 学術専門書・実用書などの構成
c. 「改丁主義」・「改頁主義」と「追い込み」
5. 印刷方式
a. コンピューター組版
b. 級数システム
c. ポイント・システム
d. 書体とケイ
6. 組方指定書(または製作指定書)
7. 割付と原稿整理・指定
a. 割 付
b. 文 体
c. 句読点
d. 専門用語の欧文・略号併記フォーマット
e. 写図表ナンバー・ガイドナンバーの表記フォーマット
f. 文献ガイドナンバーと注番号の表記フォーマット
g. 赤字入れ作業(原稿整理・指定)開始〔改行の指定記号〕
8. 印刷所選び・見積もり・組上日程などの打ち合わせ
a. 印刷方式および印刷所選び
b. 製作条件等の呈示と見積もり
c. 入稿と組上げ日程の打ち合わせ、ほか
9. 校 正
a. 初 校
b. 著者校正
c. 著者校正整理
d. 再 校
e. 最終校正・念校
f. 刷版前校正
10. 一部抜き点検
11. 付物点検(箱・カバー・表紙・扉・腰帯・短冊など)

各論 デスクワークの要点

A. 企画から原稿入手まで
1 書籍制作業務の流れを書類でみる
2 企画書(または出版計画書か製作計画書)
3 執筆要綱
a. 原稿の状態
b. 見出し番号の立てかた
c. 表記法
〔コンピューター組版のケイの太さ〕
〔図表のネーム〕
d. 専門用語準拠辞典
4 原稿執筆依頼書
5 原稿受領書
6 出版契約書

B. 制作計画
7 本の構成
7-1 一般和書の構成
7-2 洋書の構成
7-3 翻訳本の構成
7-4 ISBNとJANコード
8 順 付
9 原稿数量一覧表と進行表
10 制作日誌

C. 用 紙
11本の規格と用紙の知識
11-1 紙加工品仕上がり寸法と原紙寸法
11-2 5つの基本矩形
11-3 本の規格と変形判のいろいろ
11-4 紙の順目と逆目
11-5 紙 質
11-6 重さと厚さ
a. 連量とメートル坪量
b. 小冊子や封筒の重量計算
11-7 用紙選択と数量計算
a. 数 量
b. 総枚数の計算
c. 印刷・製本加工時のヤレ紙
d. 市販の紙の梱包枚数
e. 用紙重量の選びかた
f. 注文時の要点

D. 印刷文字
12 印刷方式
12-1 凸版(活版)印刷と活字
1)号数活字
2)ポイント活字
3)ケイの種類
4)3種類のポイント・システム
5)パイカやルビの由来
6)新聞活字
〔新聞広告・三段八つ割り〕
7)活字の書体
12-2 写真植字(写植)
a. 写植文字のサイズと変形のいろいろ
b. 写植文字の書体
c. 歯送り

E. 組 版
13 コンピューター組版(DTP)のソフト
14 基本組方
a. 字間のアキ
b. 字詰と行間
14-1 版面寸法と紙面寸法
14-2 計算で割り出す版面寸法
a. 版面積が紙面積の60%で版面の形が√2矩形の場合
b. 版面積が紙面積の60%で版面の形が黄金矩形の場合
c. 版面積が紙面積の60%で版面のヨコ・タテが1:1.5の場合
14-3 本文組方指定の要点
15 和文組版で厳守すべきこと(組版ルール)
16 ハシラ・ノンブル
17 本文中の引用文の組方
18 見出しの組方
a. 見出しの格付け
b. 見出し番号の一例
c. 見出しの体裁
d. 中扉のレイアウト
e. 大・中・小の見出し・同行見出し・窓見出しのレイアウト
f. 段抜き見出しと段組の行の流れ
g. 見出しの装飾
h. 欧文の見出しの体裁
19 見出しの行どり
20 箇条書きの組方
21注
a. 頭 注
b. 後 注
c. 傍 注
d. 脚 注
e. 割 注
22 圏点とルビ
23 表の体裁
24 図版と図説明の処理
a. 図版処理
b. 図ネームと図説明
c. 写真版線数
d. グラデーション・スケール
25 特組頁(本文以外の頁)
25-1 序 文
25-2 目 次
25-3 付録や用語解説(2段組の字詰・段間・行間)
25-4 文 献
a. 基本型
b. 著者名
c. 論文名
d. 雑誌名
e. 雑誌巻数・号数・頁
f. 書籍名
g. 書籍の場合の基本形
25-5 索 引(3段組の字詰・段間・行間)
26 付 物
26-1 扉
a. 3つの掲載要件
b. デザインやレイアウト
c. 文字だけでつくる扉のレイアウト
26-2 表紙・カバー・箱
a. 束見本
b. 制作条件
c. 掲載要件
d. 装幀者への注文の仕方
26-3 腰 帯
a. 天地寸法の予測
b. 天地左右寸法の確定
26-4 短 冊
27 欧 文
27-1 欧字の知識
(1)欧字の構造
(2)5本のラインの名称
(3)大文字とスモール・キャップ
(4)小文字のxと同じ背丈の小文字
(5)ヘッドが長くて背の高い小文字
(6)フットが長い小文字
27-2 書体の分類など
(1)ローマン
(2)サン・セリフ
(3)スクウェア・セリフ
(4)ウェイトとセット
(5)フォント
27-3 欧文の組方
(1)セット(字幅)とMサイズ
(2)M(em)サイズとユニット・システム
(3)語間と行間
(4)第1段落の字下がり
(5)見出し
(6)2 Mに3点
27-4 その他の豆知識
(1)エックス・ハイトの長い文字は大きく見える
(2)スモール・キャピタル
(3)字割り(レター・スペース)とカーニング
(4)ライニング数字とノンライニング数字
(5)イタリック
(6)アクセント・合字・約物
(7)ウィドウ・ライン
(8)ハウス・ルール

F. 製版と刷版

G. 製 本
28 製本様式
a. 上製本の種類
1)糸綴じ、厚表紙、カバー(箱)
2)糸綴じ、薄表紙、カバー(箱)
b. 並製本の種類
1)糸綴じ、紙表紙、カバー(箱)
2)網代綴じ、紙表紙、カバー
3)無線綴じ、紙表紙、カバー
4)針金綴じ、紙表紙
c. 上製本と並製本の違い
d. 表紙のくるみ方による分類
1)上製の丸背と角背
2)上製(厚表紙)のまる(完)表紙・継ぎ表紙・角丸(かどまる)表紙
3)背の3様式
(a)フレキシブル・バック
(b)タイト・バック
(c)ホロー・バック
4)表紙の芯
5)表紙の表装材料
6)箔押し
7)金版
e. 並製本の種類
1)くるみ表紙(糸綴じ・無線綴じがある)
2)切りつけ表紙(表紙と中身といっしょに針金綴じする)
f. 上製と並製の中間の製本
g. 見返し
〔見返しの種類〕
1)貼り見返し
2)巻き見返し
3)継ぎ見返し
h. チリ出し
i. 折丁と台割り
j. 背丁と背標
k. 表紙用板紙と製本クロース
1)表紙用板紙の取り枚数
2)表紙用板紙の束枚数
3)製本クロースの取り数

H. 原稿整理から校正まで

29 原稿整理
a. 本文通読
b. 用字用語マニュアルの作成
c. 写真・図・表原稿の整理・指定
d. 原稿整理・指定用のチェックリストの作成
30 割 付
a. 割付用紙の作成
b. 割付用紙への記入の仕方
c. 部分割付
d. 順付確認とノンブル・ハシラの指定
31 入 稿
a. 注文書
b. 製作(組方)指定書(順付を添付)
32 校 正
a. 担当者初校
〔同音異義語と簡易慣用字体〕
b. 著者校正
c. 索引原稿作成
d. 再 校
e. 三 校
f. 最終校
1)念 校
2)刷版作製時点の点検

I. 印刷・製本管理から納本指定まで
33 印刷・製本管理
a. 印刷・製本所の設備確認
b. 見積もり
c. 製作日程
d. 原稿作成要領打ち合わせ
e. 注文書
f. 出校督促
g. 進行表記帳
h. 責了前後の各種指定
i. 束見本入手後の指定
j. 納本管理
k. 増刷原本作成
l. 原稿および組版データ、作図・写真データの保存
34 校正時のチェックポイント
a. 見出し
b. ハシラとノンブル
c. 文献番号、注番号、写図表番号
d. 数量表記
e. 順付との照合
f. 寄稿者(共同執筆者)リストとの照合
g. 箱・カバー・表紙の表記と扉・奥付の記述との照合
35 責了前後の関連作業

J. 出版原簿から広報宣伝まで
出版原簿
37 宣伝および宣伝に準ずるもの
37-1 内容見本の掲載要件
37-2 雑誌広告
37-3 新聞広告(三段八つ割りと三段六つ割り)

資 料

1 用字用語マニュアル
〔原則を掲げた用字用語マニュアルの例〕
〔仮名書きマニュアルの例〕
〔漢字を見出し語としたマニュアルの例〕
2 組版用語解説164項
3 約物(符号・記号類)一覧
4 辞書には載っていない「簡易慣用字体」
5 Times New Romanの字幅表
6 標準組方表
7 台割表(例)
8 割付用紙例

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